南モンゴルの民族の自由を勝ち取る運動が新しい段階に入った(Ch.ムンフバヤル)

 
モンゴルのジャーナリスト、CH・ムンフバヤルさんの文章「南モンゴルの民族の自由を勝ち取る運動が新しい段階に入った」を掲載いたします。



img_7503 私は11月9~11日、東京で開催された南モンゴルのモンゴル人による「クリルタイ(世界南モンゴル会議)結成大会」にモンゴル国代表として若い活動家E.バトトゥルと参加した。17日には横浜市でクリルタイ・メンバーのダライラマ猊下との謁見にも出席した。

 クリルタイの準備は2014年からスタートしたが、具体的に実を結んだことは何よりも喜ばしい。一日目(9日)の会議には来日またはインターネットで、各国の南モンゴル代表が参加、クリルタイの規則・役員人事・組織・アクションプラン・事業計画などについて協議した。その結果、初代会長には1981年に起こった内モンゴル学生運動時から現在まで一つの目的に向かって活動してきたショブチョード・テムツェルト氏、幹事長には長年一貫して活動を続けてきたオルホノド・ダイチン氏が選出された。

 アクションプランには「南モンゴルのモンゴル人の民族自決権、全モンゴル民族の連帯のために闘う」と明記された。「南モンゴル独立のため」という目的をアクションプランに盛り込むかどうか議論した際には歴史的経験から、モンゴル国に合流する、別の独立国を建てる、高度自治権をもつ連邦国を建てるなどの意見が出されたが、民族自決権を獲得した後に南モンゴルのモンゴル人が決めることにした。
二日目の結成大会は公開で参議院議員会館において開催された。モンゴル人以外には、日本の国会議員、中国各民族の代表、日本・台湾・香港の政治家・活動家・メディア関係者など幅広い人びとが参集した。多数寄せられた祝電の中には世界ウイグル会議議長ラビア・カーディル氏の音声メッセージも含まれ、モンゴル国のNGOからも届いていた。

 「禍福はあざなえる縄の如し」というように、会館の外ではクリルタイに反対する集会が開催され、数十人が参加していた。「日中友好関係を破壊する海外『反華』の民族主義団体を断固反対する!民族分裂を断固反対する!」と書いた赤い垂れ幕をもった人びとは、左翼・共産主義者・学生で、中国当局が雇って組織したのだろうとのことだった。会議後にはクリルタイ参加者に敬意を表し、国会ツアーを開催してくれた。

 三日目には幅広い参加者によるフォーラムを開催し、「アジアの民主化」というテーマで協議した。私は、モンゴル国の民主化が危険にさらされてきたことを紹介し、南モンゴルの弾圧やモンゴル国の衰退は、モンゴル民族全体の問題であることを強調した。四日目には追加の会議を開催し、十分協議できなかった問題について協議した。

 この後、東京・大阪にいるクリルタイ・メンバーは非公式に協議を続けた。17日には横浜市においてクリルタイの代表がダライラマ猊下に謁見した。謁見は深い相互理解の上で行われた。南モンゴルのモンゴル人の政党が連携してクリルタイを結成したことは公的に、また国際的に注目を集めることである。今後、クリルタイの事業がいっそう発展し、他のモンゴル民族や世界からの支援が得られることを願ってやまない。

2016年11月21日
(原文)http://sonin.mn/news/easy-page/71447