5.11南モンゴルを応援する日記念 世界同時活動声明文 中国政府は南モンゴルへのジェノサイド政策を即時停止せよ

5.11南モンゴルを応援する日記念 世界同時活動声明文

中国政府は南モンゴルへのジェノサイド政策を即時停止せよ

2011年5月11日、南モンゴルで遊牧民の男性が殺害された。その名はメルゲン氏である。メルゲン氏は、モンゴル人の伝統生活の基盤である草原を守りぬくために、中国政府と漢人移民の不法な暴力に抵抗し、無残に殺害されたのだ。私たちはメルゲン氏の志を継ぎ、中国政府による南モンゴルへのジェノサイド政策に抗議するために、本日この場でこの声明文を発表する。

 中華人民共和国は第二次世界大戦後、南モンゴルを支配下とし、さまざまなジェノサイド政策を行ってきた。モンゴル人の遊牧文化に根付いた生活様式、伝統信仰と民族文化は直ちに否定され、草原は無理な開墾を強いられ飢餓が訪れた。文化大革命時代には、モンゴル人であることそのものが逮捕、拷問、虐殺の理由とされ、民族ジェノサイドが行われている。このとき数十万のモンゴル人が殺され、また100万人近くが身体障碍者となった。

中国政府が南モンゴルから奪ったのは命だけではない。本来モンゴル人のものであるはずの土地と地下資源の収奪が続き、無秩序な開発や露天掘りによる環境破壊の結果、豊かだった草原は砂漠化していった。南モンゴル人は、その生活空間を、中国政府と進出する中国企業、そして中国人移民によって破壊されたのである。

さらに、南モンゴル人からは言語まで奪われた。2020年9月から、モンゴル人の少年少女が通う学校において、使用言語は全て中国語となった。言語を奪うことは、私たちモンゴル人の文化的アイデンティティを滅ぼそうとすることであり、これは文化的ジェノサイドである。

現在、ロシアによるウクライナ侵略は国際社会から強い批判が浴びせられている。武力による侵略と民間人への虐殺を行うプーチン政権を、我々も最大限の表現を以て批判する。同様に、南モンゴルで、生命、生活環境、そして母語と文化、そのすべてを滅ぼすジェノサイドを行っている習近平政権も最大限の表現を以て非難する。習近平政権もまた、ジェノサイドの罪で国際社会から制裁を受けるべきである。

 私たちは以下4点を抗議とともに要請する。

  1. 中国政府は南モンゴルに対するジェノサイド政策を直ちに停止し、普遍的価値であるモンゴル人の民族自決権を直ちに保証せよ。
  2. 中国政府は中国憲法にも定められている民族自治権、教育権、生活権の条文に基づき、南モンゴルの母語教育を直ちに再開するとともに、収奪した土地をモンゴル人に返却し、正当な権利を求めて抗議したために逮捕されたモンゴル人たちを直ちに釈放せよ。
  3. 国際社会は基本的人権尊重の理念から、中国政府が過去並びに現在実行しているジェノサイド政策を調査する査察団を編成し、中国政府に完全に自由な調査を保証したのちに受け入れることを求めよ。その際は、在外モンゴル人組織は、あらゆる情報提供を惜しまない。
  4. 中国政府がジェノサイド政策を停止しない間は、国際社会は、経済制裁をはじめとするあらゆる制裁をかけることにより、中国政府の政策変更を要請することを求める。

以上

2022年5月11日 メルゲン氏が殺戮された日から11年目に向けて

2022年5月8日 5・11記念抗議活動組織委員会

          賛同者一同