チベットとモンゴルの間には、13世紀から長きに渡る政治や文化的な繋がりがあった。近現代においては、「モンゴル・チベット相互承認条約」というお互いの主権国家地位を承認した条約が存在する。辛亥革命が発生した1911年にモンゴルが清朝からの独立を宣言し、1913年1月11日にモンゴルとチベットが条約を結び、チベットの統治者ダライ・ラマ法王、モンゴルの統治者ジェプツンダンパことボグド・ハーンであることを承認した。これは、近代においてモンゴルとチベットはお互いを「国」として見なす対等関係を構築したと考える上では象徴的な出来事である。
今年は同条約調印110周年にあたる。ここに至るまで、彼らの運命は列強間の覇権争いに巻き込まれ、大国の権威主義に翻弄されながら、並々ならぬ困難な道のりを乗り越え、人類の近現代史の中でも欠けることのできない一ページを成してきた。しかし、従来の大国史観によりそれが矮小評価、あるいは否定されてきたことで、あまりにも知られていないのも事実である。
モンゴルとチベットの近現代史の検討は、近現代における国際関係の変化、人類が今なお直面する民族間紛争やマイノリティの権利など様々な問題について考える上で極めて重要な視角であろう。このような考えのもと、モンゴルとチベットの歴史を記念して、「モンゴルとチベット文化・宗教に関する第2回学術シンポジウム」を開催する。シンポジウムでは、歴史の真実を伝えることを目的とし、歴史の教訓に学んだ上での今後の東アジアないし国際関係のあり方ついて考える。また、チベットとモンゴルの現状と未来について検討する。
今回のシンポジウムには、チベット、モンゴル、日本、そして台湾からも多くの有識者が発表する予定です。皆さんのご参加を期待しております。詳しい内容は次のホームページから確認ください。
第2回モンゴル・チベット文化・宗教学術シンポジウム及び「モンゴル・チベット相互承認条約」調印110周年記念国際シンポジウム (mongol-tibet.sakura.ne.jp)
日時 2023年7月15日(土)
場所 東京大学駒場キャンパス ホール(21 Komaba Center for Educational Excellence)
京王井の頭線 駒場東大前駅下車 東大口を出て正門より数分
参加費無料
参加希望の方は7月12日までにメールにて申し込んでください。
連絡先info@mongol-tibet.sakura.ne.jp
主催 南モンゴルクリルタイ
共催 チベットハウス・ジャパン
協賛 台湾民主基金