
自民党有志でつくる南モンゴルを支援する議員連盟は10日、国会内で会合を開き、先進7カ国首脳会議(G7サミット)の首脳コミュニケに中国・内モンゴル自治区(南モンゴル)の人権状況への懸念が盛り込まれるよう政府に働きかける方針を確認した。近年の首脳コミュニケでチベットや新疆ウイグル、香港への懸念の文言が盛り込まれる一方、会長を務める高市早苗前経済安全保障担当相は「残念ながら南モンゴルへの言及がない」と問題視した。
日本では2022年に新疆ウイグルやチベット、香港などに加えて南モンゴルでの「深刻な人権状況」を「国際社会の脅威」とみなす決議を衆参両院でそれぞれ採択している。
その後、日本が議長国を務めた23年のG7広島サミット、24年のイタリアでのサミットで採択された首脳コミュニケではチベットやウイグルでの人権状況に懸念を表明し、香港の高度な自治の保障を求めたが、南モンゴルについては記載されなかった。
会合に出席した議員からは高市氏と同様の意見が相次いだという。
会合では20年秋以降、内モンゴル自治区の小中学校で、教科書がモンゴル語から標準中国語への変更が進められ、今年から大学受験も中国語に置き換わっている現状も紹介された。
会合後、議連事務局長を務める石橋林太郎衆院議員は「母語を無くされてしまうのは民族を抹殺する一つの形態で、看過できない」と述べた。
自治区では情報統制が厳しくなり、中国当局の軟禁下にある南モンゴル民主連盟代表のハダ氏について連絡が取れない状況も報告された。ハダ氏は議連幹事長を務める山田宏参院議員らの推薦で今年のノーベル平和賞候補となっている。(奥原慎平) 自民・高市早苗氏 G7首脳コミュニケ「南モンゴルの人権懸念言及ない」議連会合で問題視(産経ニュース)|dメニューニュース(NTTドコモ)