【12.10】南モンゴルに関する国際人権デー共同声明

本日12月10日、国際人権デーにあたり、南モンゴルクリルタイを含む4団体は、中国による南モンゴルでの深刻な人権侵害と文化的ジェノサイドに対し、国際社会の緊急な対応を求める共同声明を発表しました。行方不明となっているハダ氏の解放や越境弾圧の停止を強く訴えています。


南モンゴルに関する国際人権デー共同声明

2025年12月10日

2025年の国際人権デーにあたり、私たち〈内モンゴル人民党、南モンゴルクリルタイ(世界南モンゴル会議)、世界モンゴル人連盟日本、南モンゴル人権情報センター〉は、中国によって「内モンゴル」と呼ばれている南モンゴルにおける深刻かつ悪化し続ける人権状況に対し、国際社会が緊急に注目するよう強く呼びかけます。

今年は、南モンゴル民族運動の著名な指導者であるハダ氏が、1995年12月10日に初めて自由を奪われてから30年にあたります。恣意的拘束、超法規的拘禁、無期限の軟禁、24時間体制の監視が数十年にわたり続いた末、中国当局は今年2月、「医療上の緊急事態」を理由にハダ氏を病院へ移送した後、彼と家族の消息は完全に途絶えています。私たちは、彼と家族の安全に対する深刻な懸念を表明するとともに、その所在と安否を直ちに明らかにするよう要求します。また、中国政府に対し、ハダ氏と家族の自由を即時かつ無条件で回復することを強く求めます。

南モンゴルでは、「文化的ジェノサイド」としか形容し得ない民族アイデンティティ破壊が続いています。中国当局は、「中華民族共同体意識(Chinese Nationality Community Identity)」を推進する政治キャンペーンの下、モンゴル語、文化、民族的アイデンティティ、そしてナショナル・コンシャスネスを強制的に抹消しています。子どもたちはモンゴル語による教育機会を奪われ、モンゴル語はすべての学校で禁止され、社会・公共の場でも著しく制限されています。

不当に拘束されている人々には、作家で歴史家のラムジャブ・ボルジギン氏、遊牧民リーダーで活動家のヤンジンドゥラム氏、弁護士のフフブラグ氏などが含まれます。南モンゴルの多くの人々が文化を守り、権利を訴え、土地を守ったことを理由に迫害されており、これらの拘束や嫌がらせは、中国当局による抑圧が体系的に実施されている事実を浮き彫りにしています。

また、中国による「越境弾圧(トランスナショナル・リプレッション)」の象徴的な事例として、独立国モンゴルの市民で活動家であるムンヘバヤル・チュローンドルジ氏のケースがあります。同氏は、南モンゴルおよび独立国モンゴルに対する中国政府の弾圧を批判したことにより、現在ウランバートルで懲役10年刑の3年目を服役しています。

人間の尊厳と基本的自由が掲げられるこの日にあたり、私たちは以下を強く求めます。

1.ハダ氏および家族の自由を直ちに回復すること。

2.ラムジャブ・ボルジギン氏、ヤンジンドゥラム氏、フフブラグ氏を含む南モンゴルの活動家・コミュニティリーダーの自由を回復すること。

3.独立国モンゴルおよび他地域で行われている越境弾圧を停止し、ムンヘバヤル・チュローンドルジ氏を即時に釈放すること。

4.南モンゴルのモンゴル人に対する文化的ジェノサイドを停止すること。

私たちは、国連、人権団体、および各国の民主主義政府に対し、この状況を厳重に監視し、中国政府に国際的義務を履行させるよう強く求めます。

南モンゴルの文化、言語、そして人々の生存そのものが、今まさに危機にさらされています。

世界は沈黙してはなりません。

署名:

内モンゴル人民党

南モンゴルクリルタイ(世界南モンゴル会議)

世界モンゴル人連盟

南モンゴル人権情報センター