2025年12月、世界人権デーにあわせて開催された「世界人権デーピースマーチ2025」において、南モンゴルクリルタイ共同代表のオルホノド・ダイチン氏がスピーチを行いました。
本スピーチでは、中国共産党政権下で続く南モンゴルの民族・言語・文化への抑圧の現状を訴えるとともに、独裁に立ち向かう国際連帯の重要性、日本への期待、そして自由と人権を守るために声を上げ続ける決意が力強く語られています。
自由と人権のために、沈黙しない ― 世界人権デーピースマーチ2025
南モンゴルクリルタイ共同代表 オルホノド・ダイチン
皆さま、本日は私たちの自由、私たちの尊厳、そして未来を守るために、ここに集まってくださり心から感謝します。
南モンゴルクリルタイを代表して、断固たる連帯の声をお届けします。
■ 南モンゴルは沈黙しない
中国共産党政権の統治下で、南モンゴルでは民族の言語、文化、土地、歴史までもが奪われています。
学校からモンゴル語が消され、遊牧という伝統の暮らしが破壊され、
「民族浄化」と呼ぶ以外にない政策が進められています。
しかし、私たちは沈黙しません。
南モンゴルの声は、今日ここに確かに存在しています。
この場に立つこと自体が、圧政に対する明確な抵抗の証です。
■ 世界は独裁の連携と、民主の危機に直面している
ロシアのウクライナ侵略、ミャンマー軍事政権の暴力、カンボジア・ベラルーシ・イラン・北朝鮮の抑圧。
そこに中国が加わり、独裁国家同士が支え合い、軍事・政治・情報の面で協力を深めています。
一方で、自由と民主主義を掲げる国々は、その挑戦を受けています。
台湾への威嚇はその象徴であり、中国共産党政権は隠すことなく、堂々と拡張主義を押し出しています。
最近では、日本の国会における高市早苗首相の発言に対し、中国外交官が「テロを呼びかけるに等しい暴言」を吐きました。
これは主権国家である日本への侮辱であり、民主主義そのものへの挑戦です。
世界は、そして私たちは、今まさに歴史の分岐点に立っています。
■ だからこそ、民族の団結が必要だ
南モンゴル、チベット、ウイグル、香港、台湾、ウクライナ、ミャンマー、イラン、ベラルーシ、カンボジア、北朝鮮…。
それぞれの悲しみと闘いは違います。しかし、根本の敵は同じです。
独裁と暴政です。
私たちはもうバラバラに闘う時代ではありません。
今日、多くの民族と団体が一つの場所に集まったこと自体が、
独裁国家に対する最大のメッセージです。
「我々は団結した。もう黙らない。自由のために立ち上がる。」
■ 日本への強い期待
そして私は、自由と民主主義を掲げる日本に、強い期待を持っています。
日本は今、世界から大きな役割を求められています。
アジアの民主主義国家の代表として、独裁国家に対してはっきりと「NO」を突きつける力を持っています。
特に、高市政権が示している中国への毅然とした姿勢は、
南モンゴルをはじめ、弾圧に苦しむ多くの民族が勇気づけられるものです。
習近平政権の人権侵害に対して明確に声を上げる政治家の存在は、
私たちにとって希望そのものです。
日本の皆さま、どうか私たちの声に耳を傾け、
自由と人権のための連帯の輪をさらに広げていただきたい。
皆さまの支援が、抑圧に苦しむ人々をどれほど励ますか、想像を超えるものがあります。
■ 終わりに
独裁は人間の尊厳を踏みにじり、真実を封じ、恐怖で人々を支配しようとします。
しかし私たちは、恐怖に屈しません。
今日のこの集会とピースマーチは、自由を求めるすべての人々の力を示すものです。
自由は与えられるものではなく、勝ち取るものです。
人権は黙っていて守られるものではなく、声を上げて守るものです。
南モンゴルから、そして世界のすべての圧政に苦しむ人々から、
私は今日、ここに宣言します。
私たちは団結し、独裁と闘い、必ず自由と人権を取り戻す。
皆さま、共に立ち上がり、共に歩み続けましょう。
ご清聴ありがとうございました。