南モンゴルクリルタイ(世界南モンゴル会議)公式声明
米国2026会計年度国防授権法(NDAA)成立を受けて
南モンゴルクリルタイ(世界南モンゴル会議)は、
米国大統領の署名により成立した2026会計年度米国国防授権法(National Defense Authorization Act, NDAA)において、
南モンゴル(中国政府呼称「内モンゴル」)に関する画期的かつ前例のない条項が盛り込まれたことを、心から歓迎する。
本法により設置が定められた在中国米国代表部における内モンゴル担当チームは、
南モンゴルの政治的・社会的・人権状況を、継続的かつ制度的に監視・報告・関与する初の公式枠組みであり、
南モンゴル問題が国際社会において新たな段階に入ったことを明確に示すものである。
とりわけ本条項が、南モンゴル人を現地雇用職員として採用し、モンゴル語能力を重視することを明記している点は、
南モンゴル人自身の視点、言語、歴史的文脈を制度として尊重するものであり、
南モンゴルの現状を正確に把握し、国際社会に伝えるために不可欠な要素である。
これは、外部から一方的に語られてきた南モンゴル問題を、
当事者の声を基軸とする国際的課題へと転換させる重要な前進である。
さらに、南モンゴルクリルタイが特に高く評価する点は、
本法が対象地域を現在の中国の行政区分としての「内モンゴル自治区」のみに限定せず、
中華人民共和国がモンゴル人のための自治地域として指定しているその他の地域をも明確に含めていることである。
南モンゴルクリルタイは設立当初より、
南モンゴルとは、内モンゴル自治区およびその周辺において、
歴史的に、そして現在においてもモンゴル人が暮らし続けている自治州・自治県等を含む、
広義のモンゴル人居住地域全体を指す概念であると定義してきた。
今回成立した米国法は、この南モンゴルの定義と完全に一致しており、
南モンゴルの現実を正確に理解したうえで構築された立法であることを明確に示している。
本法の成立は、南モンゴル人権情報センター(SMHRIC)をはじめ、
米国および世界各地に暮らす南モンゴル人ディアスポラによる、
長年にわたる粘り強い提唱活動と国際的連携の成果である。
また、日本を含む各国における南モンゴルの可視化された活動、
米国議会・政府関係者との関係構築、
そして日本における南モンゴル支援議員連盟の役割も、
この歴史的成果に重要な貢献を果たしてきた。
南モンゴルクリルタイは、
米国政府が本法に基づく南モンゴル関連条項を、
完全かつ迅速、そして実効性をもって実施することを強く期待するとともに、
本法が南モンゴルの現状を国際社会に正しく伝え、
南モンゴル人の自由、尊厳、民主主義を求める運動にとって、
長期的かつ確かな力となることを確信している。
2025年12月
南モンゴルクリルタイ(世界南モンゴル会議)
会長
Temtselt Shovchuud
(テムツェルト・ショブチョード)
共同代表
Daichin Olhunud
(オルホノド・ダイチン)
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