人権弾圧下の北京における2022年冬季オリンピック開催に抗議する共同声明文 

人権弾圧下の北京における2022年冬季オリンピック開催に抗議する 共同声明文 

2022年の北京冬季オリンピック開催が200日後に迫っています。平和とスポーツの祭典が成功裏に開催され、選手たちが祖国や共同体の名誉のために競い合う雄姿に出会う日を、多くの人々が待ち望んでいます。 しかし、残念なことに、オリンピック開催が予定されている北京を首都とする中華人民共和国においては、オリンピック精神とはかけ離れた人権抑圧が繰り広げられています。 オリンピック憲章によれば、オリンピックの目的は「人間の尊厳を保つことに重きを置く平和な社会の確立を奨励すること」「いかなる差別をも伴うことなく、友情、連帯、フェアプレーの精神をもって相互に理解しあう」ことであることが明記されています。 現在、中華人民共和国においては、新疆ウイグル自治区において、数百万ともいわれるウイグル人が再教育センターという名のもとに、事実上の強制収容所に入れられています。内モンゴル自治区においては、学校教育の現場から、母語であるモンゴル語教育を受ける機会が奪われています。チベット人の住む地域においても、かつての文化大革命時代同様の仏教寺院の破壊と宗教弾圧が続いています。また、香港においては民主活動家や議員に対する不当な逮捕が相次ぎ、国際公約であったはずの一国二制度はすでに形骸化しています。中国国内の民主活動家、法輪功修練者への弾圧は一向に改善されてはいません。 このような人権弾圧が継続する中国において冬季オリンピック大会が開催されることは、オリンピック憲章の精神に反するものとみなさざるを得ません。かつて、ナチス・ドイツの首都ベルリンで開催されたオリンピックは、ナチス政権の正統性を高め、その独裁体制と人権弾圧、民族差別政策を隠すために利用されました。また、2001年、中国政府は夏季オリンピック開催地選考において「オリンピック開催で人権状況は向上する」と公約して2008年北京夏季オリンピックを招致しましたが、公約は無視され、治安維持の口実で多数の人々が弾圧され、オリンピックは共産党独裁体制の国威発揚に利用されてしまいした。これらの歴史的教訓を世界は忘れてはなりません。かつて、アフガニスタンを侵略したソ連の首都、モスクワで開催されたオリンピックに対し、多くの自由民主主義諸国はボイコットをして抗議の意思を表明しました。この歴史を思い起こしつつ、私たちは独裁政権に弾圧されている人々の救援のために、また、オリンピック憲章の精神を護るために、中国政府並びに国際社会に以下の3点を呼びかけます。

1、中国政府は、オリンピック憲章の精神にのっとり、チベット、ウイグル、南モンゴル(内モンゴル)、香港における人権状況を改善するとともに、民主活動家や法輪功修練者への弾圧を即時停止せよ。また、強制収容所の撤廃、政治犯の釈放を行い、言論、表現、信仰、結社の自由を保障せよ。

2、中国政府は、2022年北京冬季オリンピックに国際社会が協力し選手を参加させるための前提条件として、中国国内の人権状況改善を確認するための国際調査団の派遣を受け入れよ。

3、米国議会、英国議会、欧州議会はすでに2022年北京冬季オリンピックのボイコットを採決している。日本政府並びに各国政府、国際社会及び各国オリンピック委員会は、自由、人権、民族自決権の中国における実現、並びにオリンピック憲章の精神を護るために、人権状況の改善なき場合は2022年北京冬季オリンピックをボイコットすることを宣言せよ。

2021年7月19日2022年北京人権弾圧五輪の開催に抗議する実行委員会

Students for a Free Tibet Japan、

在日チベット人コミュニティー、

日本ウイグル協会、

南モンゴルクリルタイ、

世界モンゴル人連盟、

Stand with HK@JPN、

民主中国陣線、

アジア自由民主連帯協議会、

自由インド太平洋連盟