【ご報告】ユネスコ記憶遺産『南モンゴル文革虐殺』登録活動報告会

 2017年7月15日、クリルタイ主催にて「ユネスコ記憶遺産『南モンゴル文革虐殺』登録活動報告会」が大阪市立中央会館にて開催されました。(この登録活動の意義は「趣意書」をご覧ください)

 講師の評論家・三浦小太郎先生はこの登録活動に深くご貢献くださっています。
 まず報告会に先立って、先に亡くなられた劉暁波先生への黙祷が行われました。

 そして三浦先生は登録活動の報告の前に、劉暁波先生のこれまでの活動を説明され、「天安門事件当時、最終段階になって、極めて困難な撤退の決断を採って人的被害を抑えたこと」「08憲章には、中国の憲法にある文言を取り込むなど、中国共産党の理念を前にして極めて巧みな態度を示していること」「同憲章は中国で生まれつつあった環境や人権運動、市民運動への萌芽を取り込んでおり、単に中国共産党との敵対意識を示したものではないこと」などを改めて解説されました。それでもなお中国がノルウェーなどに圧力を掛けた状況については、いかにこのような劉氏の態度が中国共産党にプレッシャーを与えたのか分かる、という点についても解説されました。

 その上で、『南モンゴル文革虐殺』をユネスコに登録するに当たっては、「ただモンゴル人であることが殺される理由になった(ジェノサイド)、文化大革命に反対したように見えたことすら理由ではなかった」ことの特異性や、運動においては地道な資料の提示・解読が重要であり、その際に日本人からの協力も重要となりうることなどの説明をされました。「南モンゴルのシンドラー」とされるジュテークチ医師の説明なども交え、多様な運動方針について、1時間余りの力ある解説でした。三浦先生、東京から大阪まで、ありがとうございました。

 その後はダイチン幹事長からこれまでの活動の説明も為され、インドのダラムサラ訪問に始まる各種活動の説明、2012年頃から長い時間を掛けた構想だったものの昨年どうにか実を結んだこと、「ユネスコ記憶遺産『南モンゴル文革虐殺』登録活動」をはじめとした活動が進みつつあること、そして在日モンゴル人の活動の重要性、日本人からの協力の重要性について確認されました。

 ご出席頂いた皆様、ありがとうございました。今後とも、クリルタイへのご支援、どうぞよろしくお願い申し上げます。