【12月7日】国際人権デーに向けた抗議・集会・ピースマーチを実施  ――南モンゴル代表、連帯と日本への期待を表明

国際人権デーに向けた抗議・集会・ピースマーチを実施

――南モンゴル代表、連帯と日本への期待を表明

2025年12月

国際人権デー(12月10日)に先立つ12月7日、東京都内において、中国政府による人権侵害に抗議する一連の行動が行われた。中国大使館前での抗議活動、都内での集会、そしてピースマーチが実施され、南モンゴル、チベット、ウイグル、香港など、各地域の人権問題に取り組む団体や市民が参加した。


南モンゴル代表、連帯の意思を示して発言

午後に行われた集会では、南モンゴルクリルタイ(世界南モンゴル会議)共同代表 オルホノド・ダイチンが登壇した。ダイチン氏は発言の冒頭で、南モンゴル(中国・内モンゴル自治区)において続く言語・文化・生活基盤への深刻な弾圧に言及した上で、まず会場に集まった各民族・各団体に向け、連帯の重要性を強調した。

ダイチン氏は、活動方針や方法には違いがあっても、自由と尊厳を守りたいという思いは共通していると述べ、次のように語った。

「ここに集まっている私たちは、それぞれ背景も活動のやり方も異なります。
しかし、自由と尊厳を守りたいという思いは同じです。
こうした大切な場に、同じ気持ちで共に立っていること自体が、何より重要だと思います。」

その上でダイチン氏は、本題として南モンゴルの現状に言及し、学校からモンゴル語が排除され、遊牧という伝統的生活様式が制度的に破壊されている現実を訴えた。

「学校からモンゴル語が消され、遊牧という伝統の暮らしが壊されています。
これは文化政策ではなく、民族の存在そのものを消そうとする行為です。
私たちは沈黙しません。」


日本への期待を表明

またダイチン氏は、日本の役割についても言及し、産経新聞の報道でも紹介された発言として、次のように語っている。

「中国への毅然とした姿勢は、南モンゴルをはじめ、弾圧に苦しむ多くの民族に勇気を与えてくれます。
習近平政権の人権侵害に対して、明白に声を上げる政治家の存在は、私たちにとって希望そのものです。」

さらに日本に対し、

「アジアの民主主義国の代表として、独裁国家に『NO』を突き付ける力を持っているのは、日本しかありません」

と期待を示し、独裁と恐怖による支配に屈しない姿勢を重ねて強調した。

「独裁は人間の尊厳を踏みにじり、真実を封じ、恐怖で人々を支配しようとします。
しかし、私たちは恐怖に屈しません。」


ピースマーチと報道

集会後にはピースマーチが行われ、参加者らは「人権を守れ」「弾圧をやめろ」「自由と尊厳を守ろう」といったメッセージを掲げて行進した。
当日の集会とピースマーチの様子は、産経新聞をはじめとする日本の報道機関でも取り上げられ、ダイチン共同代表の発言を引用する形で南モンゴルの人権問題が報じられた。


今後に向けて

南モンゴルクリルタイは、今後も南モンゴルにおける人権侵害の実態を国際社会に発信し、立場や方法の違いを越えた連携を重視しながら、自由と自決を求める活動を継続していく。


(文:草原の風)